最近読んだ本。


本当はちがうんだ日記

本当はちがうんだ日記


やっと読めた。ずっと楽しみにしてた穂村さんの新刊。私はやっぱり穂村さんが好きだ。笑ったり、ちょっとうるうるきたりして楽しんだ。
作家の書くエッセイが苦手だといううちの彼に言わせると「あざとい」らしいが、それでもいいの。エッセイとして面白おかしく書いてる部分があるとしても、そのために自分をつくりあげている部分があるにしても、その根っこに本当の姿が見えていれば。

私はひとりの死を死ぬしかない自分の運命が怖いのだ。いつか必ずたったひとりの死はくるのに、それを待つだけの日常のなかで、小さなことにびくびくしながら、ひとりの時間を薄めて生きている自分が情けない。

だからこそ、人を裏切るという行為を自ら受け止められる他者に対して「美しい」と思える穂村さんを、私は好きなのだと思う。
なんかうまく言えないけど。



ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこ乗り (新潮文庫)


いしいしんじさんのファンになった一冊。夏の長崎旅行の帰りに買った「麦ふみクーツェ」は10数頁ほど読んだままになっていたのを思い出した。
純粋なままの子供の目を持ち続けているおとなは、同時に子供の残酷さや哀しさも持ち続けている。純粋=美しいという言葉で表すにはあまりにも危険で、だからこそ稀でやっぱり尊いものなのかもしれない。軽々しく「純粋なおとな」などと言えないし、それには多大な覚悟が必要なのだろうと思う。
大事に、心の奥にいつもしまっておきたい一冊です。



嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生


結構長いのに一気読み。面白いのかどうなのかわからないけど兎に角先が気になって。それは面白いということなのかな。こういうタイプの小説を読むのは久しぶり。
松子の一生を読み進めていく間、何故「嫌われ松子」なのか、嫌われてなどいないんじゃないか、とずっと思っていたけれど、すべて読み終わった後しみじみ感じたのは松子という女性の生き方に対する嫌悪感。常に自分の思いにストレートに、必死で頑張って生きた松子の思い込みの激しさにどうしてか辟易してしまう。結果、嫌われ松子
この著者の作品は初めて読んだけれど、読者の心理状態を操るのが巧いと思う。「運命に翻弄されたある女の悲しい人生に涙する」とかではなく、なんでなんで?と思いながら最後には「なるほどなー、やっぱり嫌われ松子かも」と思わせられるあたり。
ラスト近く、松子が落ちぶれたあたりからあまり面白くなくなってペースダウンした。



ホリー・ガーデン (新潮文庫)

ホリー・ガーデン (新潮文庫)

雨はコーラがのめない

雨はコーラがのめない

泣かない子供

泣かない子供


リピートしまくってる3冊をまた読む。なんでかこれらの本は読むことで安心感に満たされる。
もう何度も読んでいて、特に「ホリー・ガーデン」はどこで誰がどんな台詞を言う、とか詳細まで覚えちゃってるのだけど、それでも繰り返し読む。やっぱり江國さんなしではやってけない、と思う。