石田衣良著 娼年


娼夫+少年=娼年
高級男娼としてスカウトされ、娼夫として様々な女性と出会う大学生・リョウ。
なんだかありがちな風俗小説かなと思いきやそうではなく。セックス描写が多いのだけど、それは所謂エロ小説に出てくる男が作り出した女性像のようなものではなく、限りなく生身の女性達。性に対して男と変わらない、むしろより貪欲で繊細な欲望を持った女たちをもっと知りたいと切望し、それによって大人になってゆく少年。
なんかこうやって言葉にするといまいちしっくりこないのだけど、読んでいると不思議に静かに癒される感覚があった。
まあ行為自体は“売春”という薄汚れた行為ではあるのだけど。


娼年 (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)