ぬけぬけと読了。


これからはあるくのだ (文春文庫)

これからはあるくのだ (文春文庫)


角田さんのエッセイが好き。
なんでだろう、小説が肌に合わない作家のエッセイは大抵おもしろいと思えないのにな。この人ののびのびとした屈託のなさ、気負いのなさ。日常のささやかなことをさらっと筆にのせて、笑わせてくれたりしみじみとさせてくれたり。とっても、いい。
剣菱の話に笑った。「これ、ケンビシにして下さい。」・・・こういうことならいっぱいある!


ぬけぬけと男でいよう

ぬけぬけと男でいよう


人間の負の部分を書くのがうまいのかなこの人。男も女も、とにかく嫌悪するタイプの人ばかりが登場するこの話。あれこれ言い訳しながらもぬけぬけと自分の欲を貫く男。
そして女までも。その妻や愛人達もとにかくいやらしいというか、恐ろしい。これは性なのか。読んでいて気分悪くなってくるんだけどちょっとドキッともする、この女達のいやらしい部分は私の中にも存在する、確実に。やばい。冷や汗。
ある意味、バイブル的な小説かも。