最近読んだ本。


猫にかまけて

猫にかまけて


読みたくてしょうがなかった本。読んだらこの人のことがすごく好きになった。町田さんの猫に対する思いがストレートに伝わってくる。私まで、どうしようもないほど愛しい気持ちになる。
読んでいるあいだ中、何かしら声が出ていたと思う。笑ったり(クスクス、とか、あははー、とか)泣いたり(実際半分くらいは泣いていた)あとため息だったり悶えたり。
この人は人としてとても素敵な人だと思う。良い人だと思う。パンクロッカーが良い人なのはイメージじゃないのかもしれないけれど。
一年と少しでこの世を去ってしまった小さなヘッケ。その生まれ変わりのおてんば奈奈。二十二歳の誕生日に息を引取ったココア。しれっとタイガーマスクの「みなし児のバラード」を歌うゲンゾー。猫といると本当にいろんな価値観が変わる。人間の当たり前が動物にとっての当たり前では全然ない事にあらためて気付かせられる。
あとがきに書かれている町田さんの言葉にきゅっとなる。たしかにそうだ、と思う。



薬指の標本 (新潮文庫)

薬指の標本 (新潮文庫)


小川洋子の小説を読むといつも別世界に連れて行かれる。
ゆび、あし、頬。消えてなくなっていく体の部分。ある意味オカルトなのに、読むほどに心がしいーんと澄んでゆく感じ。不思議な文を書く人だなあと思う。
「六角形の小部屋」は珍しく読後感の良い話だった。



オテルモル

オテルモル


もう好きとしかいいようがない。栗田さんワールド。大好き。こんなホテル、もとい、オテルが実際にあれば素晴らしい、でも実はどこかにひっそりと存在しているのかもしれない、と思わせるような素敵な幻想。
誘眠顔っていいなあ。栗田さん自身も充分、誘眠顔だと思う。