愛してるなんていうわけないだろ 角田光代著


愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)

愛してるなんていうわけないだろ (中公文庫)


角田さんのエッセイ。14年前のもの。二週間くらい前に読んだ。
角田さんが恋愛について書いているものを読む時にほのかに感じる嫌悪感の理由が、少しだけわかった気がした。面白くて笑ったりする部分はたくさんあるのに、いつもすこしだけ嫌な気分になる。それは自分の恋愛感と激しく似ている部分があるからなのかな、とこれを読んで思ったりした。
恋愛至上主義っぽい。負けず嫌い。何に負けたくないのか。生き方とか頑張りとかみたいな高尚なことじゃなくて、ゲームとかそういうのでもなくて、すっごくクダラナイことにおいて張り合ってしまう。そういう自分が浅はかで信じられないけど、考えてみたら昔から私の中には無意識にも意識的にもそういう気持ちがこびりついている。


十五夜の夜、という章が好き。幼い頃の記憶が蘇る。