図書館で借りた本。


食卓のこころ

食卓のこころ


平々凡々と続いてゆく毎日をていねいに、自分の気持ちいいように暮らすことって簡単そうでむつかしい。ありふれていそうでかけがえのないもの。著者の飾らない、気取らない人柄が文章からにじみ出ていて、時間に追われてあくせくしてる時に読むととってもやさしい気持ちになれるエッセイ。
白山羊さんからのおてがみとか、胸のなかにささくれができたときに刻みたくなるキャベツとか、本当にほっこりした気分になってしまう。
レシピにしても簡単で美味しそうなものがいっぱい。すぐにでもやってみようと思ったのは鶏のささみとセロリのサンドウィッチ。あと、わさびドレッシングで食べる、まるまま茄子のカツレツ(!)。はぁー、おなかへったぁ・・・



生まれる森

生まれる森


何かというと昨年の最年少芥川賞受賞したお二人と比べられるのは仕方ないことでしょうか。私自身は受賞とかあまり興味ないけど。これも昨年の芥川賞にノミネートされた作品のようです。
去年「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」を読んだ時も感じたけれど、これからの作家はこういう路線になっていくのかな。あまりにも読みやすくて誰もがそれなりに共感できて。でも後には残らないというか、ガツンとこないというか。誰かの二番煎じという感が否めない。「村上龍山田詠美を読んで育ちました」とか「太宰に傾倒してます。純文学として読んでください」とかそういうのがびんびん伝わってきて萎えるというか。それと比べれば島本理生さんのこの作品はそういうあざとさは感じなかったけれど、だからといって特に響くものはなかった、私には。物語って共感できるだけじゃ、ものたりない。



ハード・タイム (ハヤカワ・ノヴェルズ)

ハード・タイム (ハヤカワ・ノヴェルズ)

   
ビター・メモリー (Hayakawa novels)

ビター・メモリー (Hayakawa novels)


しばらくご無沙汰していたので久々のV.I.ウォーショースキーシリーズ。相変わらずタフで聡明、でも人情にもろく器用に振舞えない生き方がかっこいい。隣人のミスタ・コントレーラスや名医ロティ・ハーシェルも老人の域に達してる。脇役人も友達みたいな感覚になっていて、久々に元気な姿をみると嬉しい。でも今回のロティには泣かされたな・・。ヴィクももう40歳を過ぎたのか。長く続いてるなぁ。最新作『ブラック・リスト』は未読。もう少しとっておくことにしよう。
4F小説(著者・訳者・主人公・読者が女性-Femaleという意味らしい・・なるほど)の中では唯一読み続けてるシリーズ。スカーペッタシリーズはもう見限ってしまったし、ヴィクシリーズはゆっくりでいいから長く続いてほしいなぁ。