バッド・エデュケーション

aoi_aoi2005-05-13



みなみ会館。金曜夕方の回ははとても空いていてリラックスしまくりながらの鑑賞。
待ちに待ったペドロ・アルモドバル監督新作。今最も注目株(私のなかで)で今後の動向も気になるガエル・ガルシア・ベルナル主演。そしてもう一人の主役、フェレ・マルチネス。『オープン・ユア・アイズ』や『アナとオットー』(大好き!)など、スペイン映画には欠かせない若手男優さん。こんなに揃っちゃっていいの?っていうほどですごく楽しみにしていたのでやっと観れたという感があります。
ストーリーは割愛しますが、本作はアルモドバル監督が10年以上かけて構想を練ったらしい。自らゲイであることを公言されている監督の半自伝的作品とのこと。出演者のほとんどが男性(もしくは女装した男性)というある意味アルモドバルワールドに満ち溢れた作品には違いはないけど、これまでの作品と比べるととてもサスペンス色が強い。そこんとこ私的には少しテンション上がらなかったかも。謎解き要素の多い映画ってあまり好みではないので。
欲望、愛情、裏切り、復讐。人間であるが故の愚かな、美しい要素をいやというほど見せつけられる。愛する対象が異性であれ同性であれ、人って哀しい生き物なんだなと思わずにはいられない。ここらへんはやっぱりアルモドバルだなとしみじみ。


スペイン映画特有の(むしろアルモドバル特有というのかもしれないけど)計算された鮮やかな配色が散りばめられた映像もしかり、今回は構成の素晴らしさが際立った作品でした。これはサスペンス要素が強いためなのかもしれない。ストーリーの中で多用される劇中劇が巧く使われているが、ともするとややこしくて混乱してしまいそうな話なのにわかりやすくするっと入ってくる。わかりにくいと感情移入もできないものだし、ここらへんやっぱりうまいなぁ。


脇でレオナール・ワトリングがひっそりと出ていてもう少しで見逃すところだった。
そしてガエルくんの女装についてですが。綺麗というより可愛かった。(そしてやっぱりいかつかった・・)彼はとても麗しい目元をしているのでさぞかし女装が似合うタイプでは、と思っていたが、やっぱりありのままの姿の彼が一番です。