大崎善生著 アジアンタムブルー 


号泣した。小説でこんなに泣いたのは久しぶりだと思う。あらすじ読んだ時はなんかセカチューに似てるような気がしたけど。
パイロットフィッシュ』で20年前の学生時代を追想していたエロ本編集者である主人公・山崎の30歳の頃の話。冒頭、3ヶ月前に愛しい人を亡くして、デパートの屋上でぼんやり日々を過ごす男。
パイロットフィッシュで初めてこの人の作品を読んだ時は、なんだかちょっと気障であざとい印象を受けて完全には感情移入できなかった。ただこの人はとても美しい文章を書く人だと思った。
若くして癌に冒される恋人・葉子に、そして彼女と共に生き最後まで見守る山崎に強く惹かれた。
とてもいい小説だと思う。


愛する人が死を前にしたとき、あなたは何ができますか?