栗田有起著 お縫い子テルミー 


流しの仕立て屋として生きる鈴木照美。一針入魂・お縫い子テルミー。義務教育も受けず人の家を転々と居候する生活で仕立ての腕を磨いてきた彼女が、十五で裁縫道具を片手に島を出て歌舞伎町に向かう。そして叶わぬ恋に落ちる。
テルミーはとても賢明だ。素晴らしい。単純で潔くて、言い訳をしない生き方。難しいことは何もない。強い人というのはこういう人を言うのかな。私には眩しすぎて、ちょっと惚れる。
もう一編の『ABARE・DAICO』も良かった。好き。