シルミド
実話。金日成暗殺のため極秘で結成された特殊部隊。集められた31人の死刑囚。これは絶えない争いから生まれる悲劇の一つであって、このようなことは世の常のように行われている、身近にないだけであって。
観客の感動を煽る音楽だとか、ありがちな血文字シーンだとか、そんな言葉で片付けられない作品だと思う。多少の脚色はあってもあのような出来事があったということは事実で、それが作品化されることに意味がある。信念を持ち続けるということは思うほど簡単ではなく、人は置かれた立場によって容易に変わってしまう。北も南も、同じ人間。悪いのは一体何なのか。
事切れる直前の兵士が歌をうたうシーンがやりきれなかった。名前をも失い北の首謀者の首を取る事だけを目的に生きてきた彼らが最後に口ずさむ歌は、北の人間になりすますために歌い続けてきた赤旗歌。
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