最近読んだ本。

古道具 中野商店

古道具 中野商店


全編を通して心地良く読んだ。とっても居心地がいい。
古道具屋を営む中野さんとそこで働くヒトミ、タケオ、中野さんの姉のマサヨさん、中野さんの愛人サキ子さん。みんな家族みたいで、それぞれがいい人たちでそれでいてつかみどころがなくて。江國さんの「流しの下の骨」をちょっと思い出す。
中でも私はマサヨさんが好き。恋人のことを文鎮に喩えるマサヨさん。あんなに可愛くてそのくせ世の中のことを悟っているおばさんに、私もなりたい。憧れ。



リンさんの小さな子

リンさんの小さな子


川上弘美がこの本を電車の中で読んでいて大泣きしてしまったという。私は大泣きはしなかった。グッときながらも涙は溜まるばかりで流れない。
衝撃を受けた。読み終わってもまだ引きずっている。せつなくて、かなしくて、それと同じくらいかけがえのないものを得たリンさん。リンさんのたいせつなたいせつな小さな子、サン・ディウ。
ラストは少し予想していたとは言え、やはり衝撃的だった。なんとも、うまく言えないです。

何もかもが遠い。
どうしてこんなにたくさんのものから遠く離れなければならないのだろう?
どうしてこの人生の終わりには、喪失と死と埋没しかないのだろう?