トニー滝谷 村上春樹著  


今週末から京都シネマで公開されるのだけど、なぜこの作品が映画化なんだろう・・とずっと思ってた。なので引っぱりだしてきて再読。
読んだあと「しまった」と思った。映画を先に観るべきだった・・・。
レキシントンの幽霊』は何度か読んでるけど「トニー滝谷」はあまり印象に残らない。「めくらやなぎと、眠る女」や「沈黙」や「七番目の男」ばかり読み返してしまう。短篇集ではこの『レキシントンの幽霊』(表題作はあまり良くない)と『中国行きのスロウ・ボート』が本当に好き。最近の『神の子どもたちはみな踊る』なんかはどうしてもかすんでしまう。


なもんで、いくら印象に残らないとは言っても、読み返すとそれなりの良さはあるわけで。この話を忠実に映画化することは多分できないでしょう。「映画は原作とは別物」として楽しもうと思っていたけど、それには先に読み返すべきじゃなかったなぁ。単純に映画を楽しむ機会を逃してしまったような。


余談。「トニー滝谷」に「ばかのハコ船」の山本浩司が出演してるらしいが。誰の役なんだろう・・。トニー滝谷のお父さん(若い頃)かな?彼を見るのも楽しみの一つだったりして・・・。