伊丹十三 『女たちよ!』


昭和43年に刊行された、今は亡き伊丹十三氏のエッセイ。
この人はなんというか、粋という言葉がぴったりなダンディーなお方ですね。今から35年以上前に書かれたとは思えない言葉がたくさん出てくる。食べ物、お酒、着る物、車・・・他国文化の物真似が得意な日本の、けれどそれはどこまでいっても陳腐な物真似でしかないそれらの風習をぶった切る伊丹氏。外国に長く住み、本物志向を貫く彼のその言葉遣いはとても美しく、日本人特有の侘び寂びに溢れている。とても魅力的なお方です。
もの知らずな私はこの本でいろんなことを知った。かと言って堅苦しい読み物ではない。ユーモアのセンスにも溢れている。読んでる間クスクス笑いっぱなしでした。やられたなぁ、って感じ。