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FUTON

FUTON


中島京子という人のものははじめて読んだ。いつも読ませてもらっている書評オンリーのブログで絶賛されていて面白そうかなと思い借りてみる。と、これがすっごく面白い面白い。
自然主義文学、私小説の走りと言われ文学的な評価を受けたとは言いがたい田山花袋の「蒲団」をベースに、それを打ち直すという形で現代の物語と絡めた、非常に素晴らしい構成に仕上がっている。花袋の「蒲団」の研究をするデイブ・マッコーリー。ウメキチじいさん、タツゾウ。それぞれの話が面白くてぐんぐん引き込まれる。またこの「蒲団」の打ち直しが今読んでもすごく面白い。今だからこそ面白いのか。あまりに気に入ったので続けてこの著者のものを読んでみようと思う。