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しずく

しずく


期待しないで読んだら、すごくいい本でびっくり。6つの「女どうし」を描いた短編集。家を賃貸に出したおばあさんと店子の若い小説家の話とか、恋人の子供を一日預かった女の話とか。この子の可愛げのなさったら読んでてむらむらきたけど。ひとつひとつの話がどれも最後にはじんわり。表紙の猫の絵がとってもいいし、猫の話もたまらん。だふうううう。最後に入ってる「シャワーキャップ」だけ、読み進めてもあまり好きな話じゃなくてこれはなんだかなぁと思っていたら最後にきた。お風呂で泣いた。かなしい話でもないのだけど。この人の長編はたしか「きいろいゾウ」しか読んでないけどやたら詰め込んでて長すぎた感があった。短編のが全然いいと思う。



いろんな言い回しとかついニヤリとしたりムフフと楽しんだりな感じは今までと変わらず。面白いし好き。でもさすがに穂村さんも結婚されたようだし、妄想癖はいまだに爆裂だけどなんかこうあまりにも反社会人的なところはだいぶ薄まった感がある。日常生活における自意識過剰すぎるところがあまり出てこなかった。コンビニで小銭が出せないとか、ああいうのが結構好きなんだけど。