バースデイ・ストーリーズ  


ISBN:4120033414
今まで知らなかった作家を手軽にかいつまんで知ることができるアンソロジーって嬉しい。村上春樹が訳・編してるのでとっつき易いのもあるし。
どれも約20ページほどしかない短編だけど、それぞれ味わいがあって面白い。中でもイーサン・ケイニンという人の『慈悲の天使、怒りの天使』、ラッセル・バンクスという人の『ムーア人』が良かった。なんとも言えない読後感。
どれも“誕生日”をテーマにした話なんだけど、誕生日には不釣合いな不幸な話や奇妙な話で溢れている。
レイモンド・カーヴァーの『風呂』は、同著者の『ささやかだけれど、役にたつこと』のショートヴァージョンだった。私は長い方が好きだけど、こっちはこっちで超短編ならではの良さもあり。読み比べてみると面白い。