偶然の祝福 小川洋子  


今読みかけの本。いくつかの編に分かれていてすべて作家の女性が語り手なので、てっきり小川洋子さんのエッセイだと思っていた。でも読み続けるうちに、ん?これ本当の話?これ全部本当にあった話??どうやらエッセイではないみたい。実話なのかフィクションなのか、ぼやけてわからない、どっちも混じってそうな雰囲気が良い。


さっき読み終わった『盗作』というお話がすごくいい。自分のデビュー作が盗作である、という話。エッセイだと思ってたから初めはびっくりしたけど。読んでいてずっと「なんで盗作なの?」と思っていると、ラストで明かされる。しびれる。真剣に読んでて震えがきた。かなしくて儚いお話だけど、とっても素敵な話。この世界にのめり込んでしまった。左腕からゆっくりと死に近づいている元スイマーの弟。こんな小説を書けるなんて、小川さんはどんな人なんだろう。
次、読み進もう。