本多孝好著 真夜中の五分前 side-A


村上春樹チルドレンとか呼ばれている作家さんの本はあまり読む気がしなくて、この人のも初めて読みました。「真夜中の五分前」という題名とか、双子が出てくるところとか、いかにもだなーって思ってたけど、読んでみるとあんまりそういう印象は受けなかった。そもそもこの人ってSFやファンタジーを書く人らしいし。本作は恋愛小説の類に入ると思う。

恋愛によって救われたり崩れたりする人間像ではなく、
人々の中にある恋愛感情そのものが揺らいでいく姿を書きたかった。

とは著者の弁。ほう。
続編で同題のside-Bも読もうと思ったので、感想はそのあとで。

世界は不必要なもので溢れ返っているし、不必要なものは人を醜くする。
せっせと不必要なものを作り、せっせと金を稼いで、
そうしてせっせと不必要なものを買って、結局はせっせと醜くなっていく。
でもそうしなきゃもう世界は回らないんだよ。


あ、やっぱりちょっとチルドレンのかおりがする、かも。


真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A

真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A